アルコール検知器の「センサー」どう違う?(半導体式 vs 電気化学式) 正しいメンテナンスと寿命
- YOSHITO OYAGI

- 2025年10月24日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年11月29日
アルコール検知器の「心臓部」にあたるのが、呼気に含まれるアルコールを検知する「センサー」です。 現在、白ナンバー事業者の皆様が使用する検知器の多くは、「半導体式」または「電気化学式」のどちらかのセンサーを搭載しています。
この2つの方式には、価格や精度、メンテナンス性に大きな違いがあります。 また、法律(内閣府令)では、検知器を「常時有効に保持すること」が義務付けられており、これにはセンサーの寿命管理や点検も含まれます。
それぞれの特徴と、法対応に必要なメンテナンスの知識について解説します。

1. 「半導体式ガスセンサー」の特徴 (ALSOL AC002など)
【仕組み】
センサーの表面に呼気が触れると、アルコールガスに反応してセンサー内部の「電気抵抗値」が変化します。この変化の度合いを測定してアルコール濃度に換算します。
【メリット】
● 製造コストが比較的安価なため、検知器本体の価格を抑えられる。
● 小型化しやすい。
【デメリット】
● アルコール以外のガス(タバコの煙、食品の匂い、マウスウォッシュの成分など)にも反応しやすい傾向がある。
● 使用環境の温度や湿度、長期使用による経年劣化の影響を受けやすい。
【こんな方におすすめ】
● 導入コストを最優先で抑えたい。
● 使用頻度が比較的少ない。
● (測定前に水でうがいをする、などの正しい運用を徹底できる)
2. 「電気化学式センサー」の特徴 (ALSOL AC003など)
【仕組み】
呼気に含まれるアルコールを燃料のように化学反応(酸化)させ、その際に発生する**微弱な「電流」**を測定します。発生した電流の強さがアルコール濃度に比例するため、非常に正確な測定が可能です。
【メリット】
● アルコールへの選択性が非常に高い(他のガスに反応しにくい)。
● 測定精度が高く、数値のブレが少ない。
● 半導体式に比べてセンサーの耐久性が高い(寿命が長い)製品が多い。
【デメリット】
● センサーの構造が複雑なため、検知器本体の価格が半導体式より高価になる。
【こんな方におすすめ】
● 価格よりも「測定の正確性・信頼性」を最優先したい。
● アルコール飲酒以外の外部要因に影響を受けずらい高性能なアルコール検知器を導入したい。
● 運転者の人数が多く、検知器の使用頻度が非常に高い。
3. 法令対応のための「メンテナンス」と「寿命」
アルコール検知器は、一度購入したらずっと使い続けられるわけではありません。 法律で定められた**「常時有効に保持する」**義務を果たすため、以下の2点を必ず守る必要があります。
1. センサーの「寿命」を把握する
全てのセンサーには「寿命」があります。 寿命は**「使用期間」または「測定回数」**のどちらか早い方で定められています。
(例:ALSOLのJ-BAC認定品の場合)
●AC002 (半導体式): 使用開始後1年 または 測定回数2,000回
●AC003 (電気化学式): 使用開始後3年 または 測定回数10,000回
寿命を迎えたセンサーは、アルコールを正しく検知できなくなります。 寿命が来た検知器を使い続けることは、「常時有効に保持」していることにならず、法令違反とみなされるため、必ず新しい検知器に買い換えるか、センサー交換(校正)が必要です。
2. 定期的な「校正(キャリブレーション)」
アルコールチェッカーはどれだけしっかりメンテナンスを施しても、精密機械のため寿命があります。
長期間使用していると、センサーの精度には徐々に「ズレ」が生じます。 このズレをリセットし、正常な測定ができる状態に戻す作業が「校正(キャリブレーション)」です。 多くのメーカーでは、センサー精度維持のために年に1回の校正を推奨しています。
使用期間は半年〜1年半程度、使用回数上限は1,000回〜数万回程度が一般的です。
【まとめ】
アルコールチェックの運用において、安全運転管理者は「どの検知器を」「いつ購入し」「あと何回(または何年)使えるのか」を正確に把握・管理する責任があります。
ALSOL(アルソル)のクラウド管理システムでは、こうした検知器の購入日や使用期限の管理もサポートしています。 検知器の選定から日々の運用、機器の管理まで、ALSOLがワンストップで安全運転管理者様の業務を効率化します。



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